2010年10月20日水曜日

ついに、ファラヲ。。

いやはや、twitterのせいでまったくブログが進まない。書きたいテーマというか、書かなきゃならないテーマというか(しかし一体なんの使命で?—笑)は、あってもつぶやきが多いと考えが纏まらずじつに散漫になる。で、ようやく書く気になったのは、CGのレンダリングでメインPCが使えないから、というまったく仕方のない理由。
ま、なんにせよ、ようやく『ファラヲ』を公開することになったのでちょっと『ファラヲ』について書こう。『ファラヲ』の撮影はほぼ『吸血』と変わらない時期に一日だけ行われた。たしか『吸血』主演の柿澤亜友美ちゃんとの初顔合わせで、プロデューサーの永松さんと3人で池袋であった日の翌日か、またはその数日後が撮影日だった(※過去ブログチェック—07年7月27日)。自由に撮る試みだったので柿澤さんにその時「明日良かったらおいでよ、適当に出番考えるからさ」みたいな相当緩いノリだった。ていうか、そもそもこの撮影自体、じつに滑稽なカタチで始まった。ダンサーの池田理枝ちゃんからメールが来て「下北のタウンホールが一日空いたからただで使えるよ〜」みたいな、そう滅多にないある意味、オイシーハナシだった。北沢タウンホールといえば聞くところによると抽選日に早朝から並んで抽選券を得、さらにそこから高い倍率で選ばれなければスペースを確保できないという難儀で人気の劇場。公共施設ではあるけれど一日基本5〜6万のレンタル費が掛かる。これは逃したらもう二度とないハナシ、面白いかも、と、何をやるかはあとで考えるとして即答で「オレなんかやる」と返信。
最初は06年にやった『M退治』をもう一回やるかと思ったが、日数的にも無理と判断し、じゃあ、なんか撮ろう、遊びで、みたいに切り替えた。で、M退治のメンバー(天才ナカムラスペシャル、中村達也、福永幸平、光田圭亮、与西泰博、& メンバーじゃないけど怪優ホリケン。〜幸平くんは日程合わずX)をメインにさらっとアウトライン台本を書いた。が、さらっと書いたままほったらかしてしまったので(!)、前日の夜に改稿し、出演者には当日の朝台本を渡した。出演者は他に黒テントの遠藤良子、山中弘幸村井美波子を呼んだ。ま、長台詞なんかないから大丈夫だし、またそういうノリでやったほうがとりあえず上手くいくだろう、という狙い。念のため撮影日の1〜2週間前にロケハンしておいたのでそれが功を奏した。ひとつだけ出演者が丸一日は無理ということで香盤が大変だったが..。そのため全シーン撮影は無理ということになり残りを別日撮影ということにはなったものの、毎度の早撮り戦法(!)で無事撮影終了。

が、ここから長い時を経ることになった。
07年夏に撮影し、その後追撮シーンを2回。ほぼ2年越しでやった。

ま、単に『吸血』の完成が長引いてしまったためなんだが、作品が纏まるまでの時間というのはやろうと思えば、いくらでも短縮できるものではあるのかもしれない。ただ、結局他に尻を叩く人間もいない。主演者にとってみればたった一日の撮影だし、フ〜っと流れて行った思い出、と化しているのかもしれない。ただ、こちらはなんとなくいつも落ち着かない状態であるけど、気持ちが赴かなかったり、他の作品制作や単純に生活そのものなどで、日々が過ぎて行ってしまった、そんな感じだった。
ようやく今年の3月7日にCG箇所は未完なものの、全体像を掴める初号を阿佐ヶ谷よるのひるねで公開。ほぼ関係者のみで観覧し、とりあえずの評価は得たので、ホッとした。皆に公開は6月辺りでよろしく〜となって、無事終了。

が、人生とはなにが起こるか判らない。その上映会が終わって3月末の誕生日が過ぎた頃、親父が脳梗塞で倒れてしまった。そのためまたしても公開が伸びることに。数ヶ月の看病と諸々の手続き関係を引き受け(むろんその間、別件の映像制作もあった)、でまあ、ようやく、父の状態が落ち着いたので公開を決意したワケである。現在もCG箇所を制作中。ちょっと初日に間に合うか心配だけど、あとはフル回転で作るのみなのである。

『ファラヲ』は個性ある他分野のアーティストが集い、各々の才能をお裾分けしてもらって作ったような、他で絶対見ることのできない、インディペンデントな作品だと思う。画面が映画的というよりもむしろ小劇場的な印象になってしまったことが、映画作家としては惜しいが、それも作品の運命なのだということで無理な舵展開はしていない。映画が時代や文化、風俗の記録であるならば、そういう意味でも現在の日本のインディペンデントの流れの一つの作品になっていると思う。どうぞよろしく!

◯チラシ制作が不慣れなせいで上映日の印刷を表と裏と間違えてしまった。チラシ表は黒マジックで消してある。正確な日程は裏に記してある—10月29日、11月5日、7日の計3回で一日一回上映(☆詳細はこちらのページでご覧を)。